ローザ・ルクセンブルク『経済学入門』

なにが「入門」なんだろうか・・・ヘーゲルの『哲学入門』ばりにいまいち読んでいてどこをさまよっているのかわからない本でした。ただ、貨幣の発生というのか発明というのか、それを「原始共産主義社会」を仮定しながら想像を膨らましていく辺りは面白い。おそらく当時のあらゆる文化人類学の実例を引用しながら、現代にまだ生き残っている部族社会の経済を参照して論を進めていきます。ここに出てくる、家畜が貨幣の代わりだった社会というのが本当に起源として正しいのかどうか・・・正直なところ、最後まで「ホントに?!」という感じでしたが、まあ講義録を書籍化したというものでもあり、最後まで結論めいたものは回避されて歯切れは悪いです。後半の余剰労働力に関する部分は割とマルクスの原著の解説としてはわかりやすくまとまっているようにも思えます。まあそれで『資本論』を読まない理由にはならないと思いますが・・・ローザ・ルクセンブルクは書簡のほうが有名のようですが、いま現代での評価というのはどんな感じなんでしょうか。よくわかりませんが、ぼく自身があまり良い読者になれなかったのは確かなようでした・・・。

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