齋藤孝『「対面力」をつけろ!』

新入社員にも必要だが、慢心し始める年頃にも必要な「対面力」。耳が痛い話ばかりで付箋ばかりになってしまった。

・アイコンタクト=意識の「ふりかけ」理論
・上機嫌という作法
・ネットショッピングより実店舗での場数を踏む
 →服を買わずに服屋を出入りする練習!!
・意識して名前を呼ぶ(またしても!!)
・いつも自分が考えていることをそのまま、簡単な言葉で話すことが一番
・「今の話で思い出したのですが」「それと似た話で」
・しょせん「仕事」「役割」と割り切ると自意識から抜け出せる
・会社のイベントは参加するもの
 →どうやって逃げようかと案ずるところから全てが中途半端になる

など、いろいろ。齋藤孝は本当に、この十年、繰り返し繰り返し同じことを言い続けていますが折にふれて読み返すと新鮮で、ぼくにとっては文学と社会とを繋いでくれた考え方を教えてくれた唯一の「師匠」であります。


向谷匡史『会話は「最初のひと言」が9割』

テクニックっていうのは、結局のところ自分の真意を正しく相手に伝えるためのハックスであるべきで、順番を間違えてはダメ。脳内でいくら自問自答していても、言葉という形式になって相手に伝わるもの。だから話し方とか、言葉遣いというのは磨いておく必要があるし、それを磨くことで脳内のワチャワチャを外界へ注ぎ出すチャネルを開いておく、開きやすくしておく、開くきっかけをうまく自分でコントロールできるようにしておく、というのは実際に精神衛生上必要なことだと思った。この本に限らず。

・初対面の相手に対して「お見かけしたもので、一言ご挨拶申し上げました」
・相手をきちんと名前、名前プラス役職で呼ぶ
・相手と同じ注文にする(ミラー効果)
・知らないことは素直に質問する。見栄を張ったが最後。返し方を形式的に覚えておく。
 →「私は○○のことはよく知らないのですが」「それは貴重なお話ですね」「弊社の○○とお知り合いですか」「参考までになぜ〜〜教えてもらえませんか」
・「どうも」なんなのか、をきちんと言葉にする。

などなど。


三富正博『目的別7ステップ財務分析法』

を読みました。

バリュークリエイト本もとりあえずこれで終わり。財務分析の本は実際の財務諸表を使うと鮮度も大事なので、古びていってしまうところもあるのですが、この本では実際に社員や学生を動員して「発見」のプロセスを紙上に再現してくれているところがとてもよいです。

こういう本があったんですねえ・・・。


『図解入門ビジネス最新企業価値評価の基本と仕組みがよ~くわかる本』

を、読みました。既に絶版となっていますが、この版はバリュークリエイトによる初めての書籍なんだそうです。

それだけにだいぶ気合の入った本の作りになっていますが、まあしかし、いい意味でタイトルに偽りありといいますか、教科書的な部分も多分に有りはするのですが著者連の主張する、時価総額と企業価値というのは違うけれど、企業価値を時価総額に反映させるのが、簡単にいえば企業価値評価の真髄なのだ、というメッセージが随所に散りばめられています。

単にDCF法をエクセルで計算できるようになりたい人は、巷にあふれる類似書を紐解けばいいのですが、本書はあくまでも企業価値評価は手段であり、本当の目的は別にあるのだ、ということを繰り返し述べています。

それはもちろん価値を高めるということに間違いはないのですが、IRであったり、「見えない資産」に気づいて今までとは違ったアプローチで会社の価値を高めていく努力をする突破口を開くということであったりするわけです。

この手の大きな話は得てして実務屋は敬遠してしまうのですが、そしてまさに私なんかがその口の代表であったりするのですが、実務と理想との間を埋めるきっかけとしては企業価値評価という切り口もなかなか考えさせられるものであると、いまさらながら思い至る次第です。


安宅和人『イシューからはじめよ』

を、読みました。三回目になります。

マッキンゼー出身者の本は、新しい仕事を始める時とか、環境が変わった時に手に取ることが多いように思います。ここに書いてあることは、いわば仕事の「文法」みたいなもので、それを意識し過ぎちゃうと身体が動かなくなっちゃうんだけど(だからむしろ自己流で軽々しく行ったほうがいんだ、なんてメッセージを何処かから見つけてきてしまうのだけれど)、でもたぶんいくつかの新しい仕事を四苦八苦していくうちにこの本の中に書いてあるいくつかの強いメッセージが脳みその裏の方からコンコンとぼくの記憶の扉を叩いて、一通のメールや一本の電話や、あるいは知らない人のところへなにか新しいことを聞きに行く足取りを少しだけ変えていく。知らないうちに。そしていつしか文法を意識しなくなった頃には、自然と仕事が出来上がっている、と信じたい。特に日曜日の夜なんかには。


『経営・財務合体』

を、読みました。思う所あり、バリュークリエイトの本を数冊購入し、読んでいます。

本書は一番新しい部類に属するものですが、経営を上半身に例え、財務を下半身に例えることにさしたオリジナリティも感じられないかとおもいきや、よくよく読むと、「下半身の暴走」=「財務諸表だけをよく見せようと小細工に走ること」を経営の面から統制しなければならないという記述もあり、一筋縄ではいかない比喩であったことに思い至ると、なんとなく理解が腹にストンと落ちるものがありました。

薄いパンフレットみたいな本ですが、財務屋さんと企画屋さんを股にかけている人は読むと何となく頭がすっきりするように思います。


矢野久美子『ハンナ・アーレント』

を、読みました。

このレベルの内容で新書というのはさすがに中公の面目躍如といったところです。ぼく自身はこれまでアーレントについてはその著作すら読んだことのない不真面目な読者ではあるのですが、本書では(おそらく日本語で)ここまできちんと彼女の生い立ちと思想の変遷を丁寧に整理したものは無いのではないかと思います。入門書としては抜群のものではないでしょうか。

それにしても本書でも随所に出てきますが、アーレントの思想というか思索というのは常に生活──というかアーレント自身の半径五メートルの生活感覚を出発点としているので、その部分をよく理解したうえで読解しないと誤解の上に誤解を重ね、同時代にも論争を巻き起こしたそり同じ轍を踏むことにもなりかねません。あくまでも彼女はユダヤ人を代表しているわけでもなく、女性を代表しているわけでもなく、ただ一人の人間として様々な人々(そこには著名な哲学者も入ってくるのですが)と関わりを持った中から出てくる肉声そのものなのでしょう。だから二次情報でしかハイデガーを/黒人人種を/アメリカを……知らないということに対して僕達はもっともっと警戒しなければならないのでしょう。二次情報でしか知らない、伝聞でしか知らない「情報」をもとに何かを判断することが全体主義の思う壺なのですから。

だからぼくたちは例えば中国や韓国の特定の誰かと具体的に関わったりあるいは嫌な目に合わされたりしてもいないのに妙なナショナリズムに絡め取られてしまう、そのことをよくよく警戒しなければならないのでしょう。それはまったく、生活感覚に根ざしたものではなく。単なる政治のための政治でしか無いのですから。アイヒマンの問題にしてもそうなのでしょう。アーレントの発言について、彼女のバックグラウンドは事実として色いろあるのでしょうが、それを色眼鏡にしてしまうとなにも見えなくなってしまう。

本書は、言ってみれば毎日はてなブックマークを渉猟し、検索すればわかった気になってしまっているぼくたちに、政治的なものすごく重い課題を投げかけてきているようにも、思うのです。


ウッディー・ウェイド『シナリオ・プランニング』

を、読みました。

結論から言えば、まあなんと言いますか……シナリオ・プランニングなどと大層な持って回って言わなくてもいいような薄い新書レベルの内容をここまで大判で凝った編集で出版しなくてもいいのでは……という感じで、大学とかでシナリオ・プランニング的な演習をやることがあるのかどうかわかりませんか、やるとしたら一年生向けの参考書の最後尾に名を連ねる程度の本だと思いました。

ただ、あくまでも読んでいるだけでは、という意味です。結局のところシナリオプランニングという技法は、なにか指南書を読んで個人がそういうことができるようになる「力」をつける、というものではなくて(私は本書を読む前までそういうものだと思っていました)、有能なファシリテイターがいて意識の高い参加者が複数いて、そういう場で初めて威力を発揮するワークショップ的なものである、ということでした(そしてそれは極めてコンサルファームチックなのですが)。

本書には概念として、シナリオプランニングの方法論がほんの少しだけ紹介された後、いくつかの具体的なシナリオプランニングを用いた課題アプローチの実例も載っているのですが、そのどれもが秘教的で、とてもじゃないですが「テクニック」として扱えるものではありません。少なくともこの本からも日常業務に活かせるものであるとか、あるいは自分がファシリテートしてシナリオプランニングを実際にやってみるノウハウは読み取れませんでした。そういう意味で、実に不親切で、「よし、やってみよう」という気にならない変な本です。

シナリオプランニングについては日本ではまだあまり実務的な紹介はされていないのでしょうか? 関連本もアマゾンで検索してもあまり出てこないし、筆頭がこれだったのでちょっと残念な感じです。まあ、一介のサラリーマンにとってそこまで万能なツールでもないように思えました。毎日投資判断しているわけじゃないしね。


上野動物園

今日も今日とて(というのは、つまり連休の谷間を休めた、ということなのですが)家族でお出かけ。

上野動物園に行くのはもう何年ぶりになるのかわかりませんが、楽しい時間を過ごすことができました。こんな風な時間が自分の人生に訪れるなんてことは本当に想像だにしなかったことでした。子どもが初めてのあれやこれやに出会う瞬間に立ち会えるというのは、親としての醍醐味なんでしょうね。

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皆様も引き続きよい連休をお過ごしください。