録画失敗

米原万里さん、亡くなっていたんですね。ロシア関係の方ということで名前だけは存じていたのですが……ご冥福をお祈りいたします。今度本、読みたいと思います。

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東京出張から帰ってきました。
しかし…下妻物語の予約録画が失敗しておりました…。なんでテープの先頭のままやねん!

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以下、最近知った豆知識。

ダイハツ←大発←大阪発動機工業
ダイキン←大金←大阪金属工業

とりとめのない日記だなあ。


【短編小説】君は会社を辞めました[初稿]

 葉子さんが辞めるということを聞いたのがうわさでなくて本人の口からだったということにぼくは今更ながら感謝しなければならないと思った。たとえば隣の総務室でいつもけらけら笑っている吉川さんが「来月からよくわかんないけど来なくなるらしい」なんて、もしも聞かされてしまった日には文字通りどうしようもない。それでも会社の女の子というのは本当にうわさ話が好きで、聞きたくもない不倫話とか上司の悪口とかをしょっちゅう運んでくる。それにいちいちハイハイと丁寧に受け答えをしてしまうぼくもぼくなのかもしれないけれど、なんだか葉子さんは同じ女性としてそういうものにもついていけなくなったのかなあ、などと邪推してみるのだが、本人に言わせれば「やっぱり今みたいな大きい会社で小さな仕事をしているよりも小さい会社で大きな仕事をしてみたい」ということだからそれを信じたいと思った。それでも葉子さんのことをうわさでしか聞いていない人たちからは、同じ経理室で同期のぼくに「ほんとうのところ」を聞きたがる人もいてぼくも下手なことは言えないから黙っていたのだけれど、ああやってあんまりおおっぴらにできないトピックの渦中にいるっていうことがどんなに苦痛なのかは、黙々と業務引継のマニュアルを作成している葉子さんの後ろ姿を見ていればよく分かった。そういうのをちゃんと他の室の人たちにも分かってほしかった。

 ちょうどあの日は経理室員も学生の採用活動にかり出されていて、工場勤務の総合職で若手と称される社員は本社に面接官として招集されていた。人事室員だけで採用活動をするのは限界があるから、いろいろな部署からそうやって人をかき集めて採用チームを作る。たいていの大手企業だったらどこでもやっていることらしい。それでぼくと葉子さんも久しぶりに作業着からスーツに着替えて朝から一時間刻みのハードスケジュールで「御社が第一志望です!」なんて熱っぽく語ってくる学生に「ハイハイ、そんなごたくはいいから本音はどうなのよ」というような問答を繰り返しへろへろになった帰りの高速バスの中でいきなり打ち明けられた。

「四月で会社を辞めることにしたの。でもまだみんなには言わないでね」

 もちろんその事実にもおどろいたけれど、やめることが決まっていながらその日の採用活動に参加した葉子さんの心中を思うとなんだかやるせなかった。残酷だと思った。

 その日からだ、ぼくの肩がむやみにこり始めたのは。後ろを振り向くことさえできないから会社の駐車場に車を入れるときにもいちいち腰から体をひねるしかなかった。一方で葉子さんはというと残り二週間しかないというのに一週間ぶっ続けで風邪をひいて寝込んでしまった。ぼくは同期から「葉子さん見ないけどどうしたの」と聞かれるたびに「ひどい風邪をひいて出てこられないらしい」と答えていたけれど、それがうそではないにしてもなんだかうそをついているような気がしてならなかった。みんなにいつどんなかたちで辞めることを葉子さんが告げるのか、そのことばかり気になっていた。

 葉子さんのいない間に室内では着々と葉子さんがいないという前提で仕事が回り始めるようになる。色紙が回ってくる。送別会の出席がとられる。「同期ならちょっといい花束をあげなよ」と幹事の大森さんがぼくの財布から五千円を抜いていく。まるで傷が癒えていくように新しい皮膚がおおいかぶさって、最初から葉子さんなんて存在はいなかったかのように「中野葉子ですか? すいません、今度担当が変わりまして二ノ宮という者になります。いま電話回しますね」なんて言いながら自分も転送ボタンを押している。会社にとっての日常茶飯事が自分にとっては一生に一度あるかないかの出来事であることにとまどう。ときどき葉子さんのことをひどく悪く言ったり、逆にぼくのことを異様にほめてくれたりする人がいた。それがどのような意図に基づいているのかを考えたくなくなかった。

 土日を含めた五日間ののち、葉子さんは会社にやってきた。やってきたのだけれど机の周りを掃除したり段ボール箱に捨てる書類を詰めたり、かと思えばふらっといなくなってどうやら挨拶回りをしているようでもあった。彼女でなければできないものというのは彼女が休んでいた間にことごとく消え去ったのだ。会社での仕事というのはあくまでも役割分担にすぎないのだと改めて痛感しながらも、その痛さから逃れるようにぼくはいつもより強くキーボードを叩きながら仕事を続けた。

 ぼくの知らないうちに他の同期にも葉子さんは辞めることを告げていたらしかった。お昼休み、ごく自然に同期で送別会を開こうという話になり日取りがその場で決められていった。ぼくはいよいよ現実味を帯びていくその話題について行くことができず、ただしかめっ面をしてもくもくと箸を口に運んでいたらしい??というのは、他日その場にいた友人から聞いた話だ。それくらいぼくは自分の殻に引きこもろうとしていたのかもしれない。なにせ葉子さんがこっそり転職活動をしていた間に、誰よりも仕事への不平不満をぶちまけていたのはほかでもなくこのぼくだったから。昼休みはいつでもぼくの独壇場だった。

 最後はあっさりとしたものだった。ぼくが午後一時からの会議のために昼休み返上で方々へ電話している最中に、たぶん彼女はこの地を後にした。よく晴れた平日で、誰も見送ることもできなくて、東京へ行くバスへ大きなボストンバッグとともに乗り込んだのだろう。会社では誰も、同期たちでさえも葉子さんのことについて口にしなかった。むしろいつもよりも明るくふるまっていた。電話に出る声はいつもにまして高いトーンになり、日が変わるまで残業しても特に苦痛ではなかった。いつの間にかぼくは「あいつは同期が辞めてから変わったな」なんてうわさされる自分を想像しては無闇にその姿に酔いしれ始めていた。それは、美しい物語だった。

 肩こりはまだ治らない。医者に行ってこいと室長にまで言われたのだけれどこの痛みが無くなってしまうのが怖い。でもどこかでぼくはこの痛みが医者になんて治せるたぐいのものではないことを期待している。期待しているというか、確信ししているのだ。それが続く限り、とりあえずぼくはぼくの仕事を続けようと思っている。目下のモチベーションは、とりあえずそれくらいしかない。(了)


【短編小説】気がした[初稿]

 彼女を見た、気がした。

 その日の夜、ぼくは知り合ったばかりの女の子と房総までドライブに行ってきた帰りで、一緒に夕食を食べようとレストラン街を歩いていた。ふと通りかかったバーの扉が中から開いて、ぼくは瞬間店内へ目をやる。それから、再び扉が閉まるまでの短い時間。忘れていた感情が再びよみがえるには充分すぎる長さだった。

「あそこの洋食屋さんにしようよ」

 すぐ隣にいる現実がぼくを空想から救ってくれる。結婚したばかりの友達から二週間前に紹介された。式にも来ていたらしい。

 店に入って甘いオムレツを口に運ぶ。会話が急になくなって、盛んに水を飲む。そうやってたくさんの感情を口から出ないようにしていた。ぼくが急に無口になったのを、彼女は誤解しているらしかった。もちろんそれは幸福な意味での誤解ではあるのだけれど。

 翌朝「きのう幕張にいなかった?」という短いメールが来て、ぼくは気のせいではなかったことを知る。互いに連絡をしなくなった三年という月日を飛び越える。あのころ、もっとぼくに君の話を聞いてやる余裕があったらもっとちがう未来もあったのだろうか? 君にこんなメールを打たせることにもならなかったのだろうか?

 けれどもぼくは隣で眠るあたらしい存在のために「いなかったよ」と短く返事を送ると、そっと携帯電話の電源を落とした。〈了〉


串田孫一的オースター

わがタイプライターの物語
わがタイプライターの物語
ポール・オースター, 柴田 元幸

100ページに満たない薄い本ながら新潮社は1,600円もとろうとするので買おうかどう迷っていた本なのですがけっきょく買ってしまいました。ポール・オースターが自分のタイプライターに対する愛着を語り、それにサム・メッサーという人が絵をつけている本ですが、メッサーの絵にオースターが文をつけていると言う方が正確かもしれません。

世の中がどんどんとデジタル化していくなかで友人から安く譲ってもらったタイプライターを使い続ける大御所作家のこだわりっていうんでしょうか。道具に対するフェティシズムというのはけっこうぼくは好きです。先日亡くなった串田孫一さんにも『文房具56話』(ちくま文庫)という名随筆があって、これもぼくはけっこう繰り返し読んでいます(蛇足だけど石川九楊みたいな拙速さがないのがまたgoodなのです)。

ぼくもまた、こうしていまそのキーを打っているiBookをオースターがタイプライターを愛したように愛せるのでしょうか? そういえばApple社がmac bookにブランドを移行してしまったのでこの先iBookが生産されることがないということを考えると骨董的な愛着もまた生まれるかもしれません。機械って新しい機種が出たての時とかちょっと古びるとダサく見えるんですけど、そこさえ通過すれば後は「おっ、ものを大事に使っているんだね」的な世界に入れるのだと思います。携帯電話もそうですよね(と、最新機種に機種変してしまったことをいまさらながらちょっと後悔)。

今日は他に嶽本野ばら『ロリヰタ。』も読破。このまえ『カフェー小品集』を読み直していたらどうしようもなくせつなくなって(もうこれはまじで必読です。この本に感応できる人、お友達になりましょう)、ぼくのなかの小さな女の子が彼の作品をもっともっととほしがるのでね。……てなことを書いていたら、アラ、月曜日にテレビでやるのね、下妻物語。茨城県人としてはうれしい限りだワ♪
カフェー小品集
カフェー小品集
嶽本 野ばら


やっぱり飽きた

ここ一週間、とりあえず毎日更新するをテーマにくそくだらないことを書き連ねたのですが、やっぱりだめです、精神衛生的にね。文は人なり的な価値観を持っているので、やっぱりきっちりとした記事に仕上げてからアップするスタイルの方がぼくの性には合っているようです。

そんなわけでまだまだ試行錯誤のブログです。たらーっ

うへっ、へんな絵文字。。。


きょうのできごと

8:30 起床
9:00 出社
18:30 退社

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思い切って早く帰ってみる。

最近全社を挙げて俺を悪者にしようとしている妄想に駆られる。てゆうか、なんかそういう目に遭うことが続いた。でも親切に電話をくれる方もいるので救われるのです。一緒にやる人によって仕事に対する一生懸命さが変わってしまうのはぼくの弱いところでもあり強いところでもあります。


きょうのできごと

8:30 起床
9:00 出社
20:30 退社

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Coccoの新譜が届く。この人はどんどん言葉から自由になっている。それが寂しかったりもするんだけど、ほんとは実はうらやましい。おまけに8センチシングルがついていたんだけどマックじゃ聴けないなー。


きょうのできごと

9:30 起床
10:00 出社
19:30 退社

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今日は会社でTOEICを受ける。

ほうぼうに電話をかける。あとで経理の人がうるさくてサーみたいになるんじゃないかと空想してしまうくらいに。

やっぱりベニーケイのアルバムを借りてしまった。